50代がクレカ5枚を減らさない理由。判断コストをほぼゼロにする設計
はじめに
「50代になったら、クレジットカードは1枚にまとめましょう」
終活や老後資金の整理の話題になると、最近よく耳にする言葉です。
年齢とともに管理能力が落ちていく将来を考えれば、カードを減らすという考え方は、たしかに理にかなっています。
私自身も「ゆるミニマリスト」として、不要なモノを減らすことには大賛成です。
ですが、結論から言います。
私は、クレジットカードを減らしません。
現在、私は日常の支払いや家計管理に使うカードを「5枚」運用しています。
正確に言うと、カード自体は6枚ありますが、日常的に使っているのはこの5枚だけです。
残りの1枚は、用途が限定された補欠的なカードで、日々の支払いや管理、判断の対象からは外しています。
普通なら、「管理が面倒くさそう」「ポイントが分散してもったいない」
そう感じる人も多いかもしれません。
一方で、私の感覚は逆でした。
5枚に分けたからこそ、支払いのたびに考える「判断コスト」がほぼゼロになったのです。
なぜ、あえて複数持ちを続けているのか。
元プログラマーの私がたどり着いた、
「減らす」のではなく「システムで管理する」という、50代向けのお金の戦略を整理しておきます。
私が5枚で運用している理由と役割
私が保有しているカードには、漫然と持っているものは一枚もありません。
すべてに明確な「ミッション(役割)」を与えています。現在のスタメンは以下の通りです。
- 【固定費管理の要】三井住友カード
役割:電気代、サブスクリプションなどの「固定費」専用。
狙い:Vポイントでんき等の還元に加え、「毎月必ず出るお金」を可視化するためです。 - 【日常の変動費】au PAY カード
役割:スーパーでの食費、日用品などの「変動費」専用。
狙い:日々の生活コストをこの一枚に集約させています。 - 【投資のエンジン】マネックスカード
役割:新NISAの積立投資(月10万円)。
狙い:投資信託の購入でポイントを得るためだけの、特化型運用です。 - 【旅と保険の盾】セゾンゴールド・アメリカン・エキスプレス・カード
役割:旅行費用、家電などの高額決済。
狙い:手厚い旅行保険と、いざという時の高額出費も余裕でカバーできる「安心の枠」を確保しています。 - 【生活の楽しみ】MUJI Card
役割:無印良品での買い物。
狙い:愛用する無印良品のポイント優待を最大化するためです。
ご覧の通り、私のカード管理は「支払い先」ではなく「費目(役割)」で完全に分けています。
特に重要なのが、「固定費(三井住友)」と「変動費(au PAY)」を物理的に分けている点です。
ここには、単なるポイ活を超えた「家計管理の自動化システム」が隠されています。
なぜ「固定費」と「変動費」をカードで分けるのか?
多くの人は、ポイント還元率が高いメインカード1枚に、すべての支払いを集中させようとします。
しかし、私はあえてカードを分けています。
その理由はシンプルです。
クレジットカードの請求額そのものを、「予算管理のメーター」にするためです。
固定費の「枠」を可視化する
家計管理で一番厄介なのは、気づかないうちに膨れ上がるサブスクや通信費などの「固定費」です。
私は、三井住友カードの毎月の請求額を「今月の固定費の総額」として見ています。
- 「今月は固定費が増えているな?」と思ったら、明細を見て不要なサブスクを解約する。
- 新しいサービスを契約したい時は、固定費全体の予算と相談して、何かを削って枠を作る。
- 収入が増えたら、固定費の予算枠も少し広げる。
もしこれらが食費などの変動費と混ざっていたら、「今月は使いすぎたけど、何が高かったんだ?」と分析するのに手間がかかります。
カードを分けていれば、「三井住友の請求額を見るだけ」で、固定費の健康診断が完了します。
これが、私が実践している「予算の自動管理システム」です。
5枚あっても「判断コストがほぼゼロ」になる理由
ここで言う「コスト」とは、お金の話ではありません。
支払いのたびに迷ったり確認したりする、思考や管理にかかる手間のことです。
「カードが5枚もあると、引き落とし日がバラバラで管理が大変ではありませんか?」
よくそう聞かれますが、私の答えはこうです。
「引き落とし日は、一切気にしていません」
普通なら、残高不足にならないように「○日はAカード、×日はBカード…」と口座残高を気にする必要があります。これが最大のストレスです。
しかし、私は以下の2つのルールでこのストレスを完全に消しました。
1. 「発生日」で管理する(入り口の制御)
私は「シンプル家計簿」というアプリを使っています。
買い物や支払いをしたら、その場でアプリに入力(固定費は自動入力設定)します。
私の中では「アプリに入力した瞬間=支払い完了」です。
実際に銀行からいつ引き落とされるかは、単なる後処理に過ぎません。脳内の家計簿は常にリアルタイムで整合性が取れています。
※私が愛用しているアプリの詳細は、こちらの記事で解説しています。
▶ 50代の家計簿|Excelも自動連携もやめて「シンプル家計簿」を選んだ理由
2. 生活防衛資金で「鉄壁の守り」を作る(出口の制御)
ここが一番のポイントです。私は引き落とし用の口座に、常に300万円以上の現金を置いています。
この金額は、まずクレジットカードの利用上限を基準に決めました。
旅行費用や家電などの高額決済、毎月の固定費と変動費、投資のクレカ積立。
これらが同じ月に重なっても残高不足にならない水準を逆算した結果が、300万円です。
そして、この資金は同時に「生活防衛資金」も兼ねています。
病気やトラブルなど、収入が一時的に途切れる場面でも、クレジットカードの支払いと生活の両方が止まらない設計です。
この二つを兼ねることで、引き落とし日を意識する必要がなくなりました。
「残高を確認する」という行為そのものが、日常の管理から消えたのです。
もちろん、必要な金額は人それぞれ違います。
目安は「自分が使っているクレジットカードの利用上限」と「月間支出」を一度書き出し、同じ月に重なっても耐えられる額を基準に考えることです。
まとめ:「減らす」ことより「設計」すること
クレジットカードを1枚に減らせば、物理的に財布は薄くなります。
しかし、それによって「家計の分析」がしにくくなったり、「残高管理」に追われたりして、心の余裕がなくなるなら本末転倒です。
私がやったことは、特別なことではありません。
ただ、お金の流れを「設計」しただけです。
- 役割分担の設計:固定費と変動費をカードで分け、思考のノイズを減らす。
- 安全装置の設計:生活防衛資金というバッファを用意し、判断や確認の手間をほぼゼロにする。
これが、50代の私がたどり着いた「大人のクレジットカード戦略」です。
まずはここから始めませんか?
「カードを用途で使い分ける」ことは、今すぐ始められます。
いきなり300万円を用意するのは難しいかもしれません。
ですが、少しずつ生活防衛資金(生活費の3〜6ヶ月分)を積み上げていけば大丈夫です。
その資金が整ったとき、あなたは
「引き落とし日」を気にしない自由を手に入れます。
50代からの家計管理は、我慢大会ではありません。
賢く「設計」して、少しでもラクをする。
その浮いた時間と労力で、もっと人生を楽しむ。
それが、私たちが目指すべき「豊かさ」ではないでしょうか。
▼私が長年愛用している「家計簿アプリ」はこちら
機能は「入力する」だけ。余計な連携機能がないからこそ、一瞬で終わります。
似たようなアプリが多いので、この「豚のアイコン」を目印に探してみてください。

[iOS(iPhone)の方はこちら]
[Androidの方はこちら]
私にとって大事だったのは、便利なアプリを探すことではありません。
支払いのたびに考えなくていい状態を、どう作るかでした。
クレジットカードも家計簿も、あくまでそのための道具です。
大切なのは枚数や機能ではなく、迷わずに回る仕組みを先に設計することだと感じています。
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